幸運の器
「もしかして、オレの器がその万古とかいうものなんですか?」

「そうだ。だから、俺はお前に葵を預けたんだよ」

「どういうことですか?」

「確信があったわけじゃない。だけど、お前の側にいればその強運であいつを守ることができるんじゃないかってね。情けない話だけどな……」

一磨はそこで辛そうな表情をした。

自分自身の力で妹を守ることができないのが、悔しいのだろう。

「でも、それじゃオレはどうすればいいんですか?オレが本当に、葵のことを救うことができる可能性があるのなら何でもやります!」
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