幸運の器
その時、何の前触れもなく突然背後から声をかけられた。


「おい、悠斗。お前、何やってるんだ?」


そこに立っていたのは、小学校の頃からの親友、早川匠だった。


匠は、不思議そうな顔をして悠斗とカノンの顔を交互に見ている。

そして、何を思ったのか、急に青ざめた顔をして、


「悠斗、まさか……。


ついに、小学生にまで手を出したのか?」


ものすごく真面目な顔で、匠は大ボケをかましてくれた。
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