幸運の器
しばらくすると、今度は別の女性が現れた。

その女性は、見るからに普通の日本人女性だった。

先ほどの女性と同じように着物を着ていたが、こちらの女性は質素な着物を着ている。

おそらく、百目鬼家の使用人なのだろう。

「どうぞこちらへ」

その女性は、こちらの都合も聞かずにさっさと家の中を進んでいく。

慌ててその女性の後をついて中へ入ると、どんどん奥へと通されていった。
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