幸運の器
でも、聞かずにいられなかった。

「あの日、悠斗と別れた後、僕は葵ちゃんを

――犯した」

「!!!!!!」

匠の言葉を聞いた瞬間、悠斗の体の内側から押さえきれない感情が溢れ出す。

その感情が具現化するかのように悠斗の体を眩い光が包み込んだ。

悠斗の中で眠る何かが今解き放たれようとしている。

「匠、お前――」

プツンと何かが弾ける音が聞こえた気がした。

悠斗の体から再び、前に華音を傷つけた凶暴な光が放たれる。

それは、前回の比ではなかった。

きっとこの光に当たればただでは済まないだろう。
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