幸運の器
屋上に一人残された匠は、ポケットから紙とペンと取り出すと何かを書き始めた。

書き終えると屋上のフェンスにその紙を結びつけ、満足そうな顔をして、そのままフェンスに背を凭れて座り込む。

匠の姿が徐々に周りに同化していく。


一陣の風が吹き抜けた。

その後には、フェンスに巻きつけられた紙とペンだけが残った……。


~終焉のとき 完~
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