幸運の器
「ん、あれ?匠は?っていうか、今何時?」

「匠君は知らないけど、今もう5時過ぎてるよ」

「えっ!マジで!?」

「マジで」

そうなると、4時間近く眠っていたことになる。

いくら悠斗でも、今までそんなことはなかった。

自分の置かれている状況に、しばし放心状態だった悠斗を引き戻したのは、またしても祥子だった。

「もう、悠斗大丈夫?」

祥子とは高校時代からの付き合いだ。

高2の時に、数ヶ月付き合っただけだが、何となく馬が合い、今でも何かと一緒にいることが多い。
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