幸運の器
そんな悠斗の様子を見て、祥子は笑いながらからかう。

「あはははは。悠斗はいつも輪の中心にいる方だからね。たまには、外野気分を味わいなさい」

「うーん、あんまり納得できないけど、この状況じゃ仕方ないな」

悠斗は、人だかりから少し離れたところに腰を下ろした。

祥子はその隣を陣取る。

「それにしても、匠はどこに行ったんだろう?何かアイツがいないと落ち着かないんだよな~」

悠斗は、もうすでにやる気をなくしていたので、急に匠がいないことが気になりだしていた。
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