幸運の器
学食の隅まで移動した二人の元に、匠と祥子が近寄ってくる。

「大変だったね」

匠が心配そうな顔をしながら、二人の前に腰を下ろす。

祥子は匠の隣に座って、その美少女に見とれていた。

その少女は、祥子が今まで会った女の子の中で掛け値なしで一番といえるほどの美少女だった。

「ええ、大丈夫です」

葵は、少し青いを顔をしていたが心配かけまいとにっこりと笑って匠に応えた。

「ごめんな、葵。この間の新歓のことを考えれば、こうなることも予想できたのに……」

「本当に、大丈夫だよ。ありがとう」

葵は、悠斗の目を見ていつもの笑顔を見せた。
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