幸運の器
「ところで……」

二人のそんな様子に耐え切れなくなって、祥子が口を開いた。

「私は、二人がどうやって知り合ったのか良く知らないんだけど、いつから付き合ってるの?」

「ん?祥子には話してなかったっけ?あの日だよ。あの新歓の日」

祥子は、その日のことを思い出した。

あの時、祥子は匠を見つけて悠斗のところまで連れてくると、そこにはすでに悠斗の姿がなかった。

あの一瞬の間に、二人は出会ったということだろう。

こうやって二人並んでいるのを見ると、あまりにもお似合いのカップルで、自分の思いなどどうでもいいことのように思えてくる。
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