幸運の器
「あっ、そうだ。連絡くれって言っても連絡のつけようないよね」

そういうと、テーブルの上に置いてあったナフキンを取り出して、匠は何かを書きはじめた。

「これ、僕の携帯番号とメアドだから。いつでも遠慮なく連絡してね。美人のわがままだったらいくらでも聞いちゃうから」

匠は、にっこりと笑って葵にその紙を差し出した。

葵は再び真っ赤になりながら、その紙を受け取り、代わりに葵も自分の携帯番号とメアドを教えた。

祥子は、その様子を眺めながらも何か腑に落ちないものを感じていた。
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