幸運の器
いつまでも華音に馬鹿にされっぱなしなのも、格好がつかないと思い悠斗は思い切った行動に出た。

「じゃあさ、華音。オレの器取り出してみろよ。器を取り出したからって別に死ぬわけじゃないんだろ?でも、華音は器を摂取しなくちゃ死んじまう。だったら、当初の目的を果たせよ」

悠斗の言葉に華音は目を大きく見開き、口をポカンとあけている。

悠斗には、華音にそんな表情をさせただけでも満足だった。

「お主、正気か?」

「ああ、正気だぞ。それに、オレって結構運がいいからちょっとぐらいは運が残ってくれるかもしれないしな」

悠斗はそう言って、にっこりと笑った。
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