幸運の器
その後の講義など、頭に入るはずもない。

悠斗は、講義が終了するとすぐに祥子のことを探しにいった。

しかし、どこにも祥子の姿をみとめることは出来なかった。

「悠斗?」

そう呼ばれて振り向くとそこには不思議そうな顔をしている匠がいた。

「匠……」

悠斗は、体の力が一気に抜けていくのを感じた。

匠を見ただけで、なんともいえない安心感を得られる。

「どうかしたのか?」
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