幸運の器
一人になると、改めて先日のことが思い出された。

やっぱり、華音のことが気になる。

華音と連絡つけるには、やはり百目鬼家に行くしかないのだろう。

しかし、はっきり言って百目鬼家がどこにあったのか正確には覚えていなかった。

行くときは眠ってしまっていたし、帰りは帰りで華音のことで動揺していて、周りを見る余裕がなかった。

何となくのイメージはあるが、それを頼りに行くとおそらくかなり時間をロスしてしまうだろう。

今日は、葵と会う約束があるから百目鬼家に行くのは明日にしようと思い直し、葵の学校へと向かうことにした。

葵の学校は、都内でも有数のお嬢様学校で男女交際に関しても厳しいらしい。

だから、校門の前まで迎えに行くことも出来ず、悠斗と葵はいつも学校の近くの喫茶店で待ち合わせることにしていた。
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