幸運の器
「そんなことでいいのか。もちろんどこにでも付き合うよ。で、どこに行けばいい?」

『電話では言えない……。悠君の家のポストに場所と時間書いた紙を入れておいたから、それを見て欲しいんだ。ゴメンね、ずっと連絡できなくて急にこんなこと言って……』

「バカ!そんなこと気にするな。わかった、絶対日曜日にそこに行くから」

『ありがとう…悠君……』

「おい、葵!!葵!!!」

葵はそれだけ言うと、電話を切ってしまった。

悠斗は、慌てて玄関まで行き、あたりを見回してみたが誰の姿も見えない。

諦めてポストを覗いてみるとそこには、かわいらしい封筒が一枚入っていた。

他に何も見当たらないから、葵が言ってたのはこの封筒のことだろう。

いてもたってもいられず、悠斗はその場で開封した。
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