アイツとコイツは許嫁。
よく分かんねえけど・・・。
「じゃあ、お前のも何かちょうだいよ。俺午後走るし」
無理やり理由付け。
だって、もらわねえと腹減る。
「あ、うん!いいよぉ!」
快く、あっさりOK。
そして弁当を取りに行った。
ていうか何で交換?
食べる量変わんねえじゃん。
「はい、どれがいい?」
さっきの女は俺と俊哉の間にしゃがんで、弁当を出した。
お!
どれにしよっかな。
「じゃあ、から揚げもらう」
まだ許可が出たわけでもないのに、俺はから揚げをつまんで口に放り込んだ。
・・・俺も俊哉と一緒だな。
「あ、よかったー!から揚げめっちゃ入ってたんだよね。お母さん入れすぎ」
そう言って俺の弁当を覗きはじめた。
・・・味からして、冷凍食品だな。
ま、いいけど。