アイツとコイツは許嫁。


よく分かんねえけど・・・。


「じゃあ、お前のも何かちょうだいよ。俺午後走るし」


無理やり理由付け。


だって、もらわねえと腹減る。


「あ、うん!いいよぉ!」


快く、あっさりOK。


そして弁当を取りに行った。


ていうか何で交換?


食べる量変わんねえじゃん。


「はい、どれがいい?」


さっきの女は俺と俊哉の間にしゃがんで、弁当を出した。


お!


どれにしよっかな。


「じゃあ、から揚げもらう」


まだ許可が出たわけでもないのに、俺はから揚げをつまんで口に放り込んだ。


・・・俺も俊哉と一緒だな。


「あ、よかったー!から揚げめっちゃ入ってたんだよね。お母さん入れすぎ」


そう言って俺の弁当を覗きはじめた。


・・・味からして、冷凍食品だな。


ま、いいけど。


< 108 / 126 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop