アイツとコイツは許嫁。
「いいなー。由莉可ちゃん、俺にもちょうだい!」
隣で俊哉が交渉し始めた。
お前、さっき俺のも食ってただろ。
「うん、いいよ!じゃあ高見沢君、あたしコレもらってもいい?」
指差したのは、卵焼き。
なぜか人気ナンバーワン。
「ああ、いいよ」
「ありがとー!」
その後、おかず交換が盛んになった。
男女問わずにあれちょうだい、これちょうだい。
俺も男女数人に誘われたけど、断った。
由莉可とかいう女だけ。
これ、俺んちのじゃねえし。
食べなきゃ失礼だろ?
自分のことをかなり律儀だな、と思った。
気合を入れなおした所で、午後の競技へ。
午後1番は1年、2年、3年の順で騎馬戦。
その後に俺が出るリレー。
そしてダンスをし、ムカデリレー。
満腹になった腹と共に、サンサンと日が差しているであろう校庭に向かった。