アイツとコイツは許嫁。


校庭の真ん中の大きな円を駆け抜ける1年生。


風を切って思いっきり走っているその姿は、見ていてとても清々しいですわ。


追いかけたり追いつかれたり追い抜いたり、ただ無我夢中に走っています。


たかがこの校庭を1周するだけですのに。


自然と口元に笑みがこぼれます。




そうしてどんどん時間は過ぎ。


校庭中が異様な盛り上がりに包まれたまま、ついに3年男子の番になりました。


摩央の番、ですわ。


ちょっと緊張しますわね。


・・・ん?


なんでわたくしが緊張するんでしょうか。


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