アイツとコイツは許嫁。
「高見沢摩央さまですよ。」
たかみざわ、まお・・・・・・・ですか。
女の子みたいな名前ですわね。
「そういえば、琥珀」
・・・また『そういえば』、ですか。
「摩央さまがこちらで生活するにあたって、同じ学校になるんですが毎日一緒に通ってくださいね」
同じ学校・・・。
まあいいですけど。
諦めって大切ですわね。
「わかりましたわ。」
そう言って部屋に戻ろうとした時、
――――ピンポーン。
チャイムが鳴りました。
「摩央さまのお父様とお母様もいらっしゃるから言葉使いに気をつけるのよ!」
そして焦って注意するお母様の様子から許婚の方が来たのだと思い、ますますわたくしを憂鬱にさせるのでした―――――。