アイツとコイツは許嫁。
「だから、心当たりがないと言っているでしょう!しかもいろんな意味ってどういう意味ですか!?」
思いっきり声を出して言ってやりました。
何をひそひそと言っているのかなんて周りの言っている人に聞けばよいでしょう!
そもそも何を言っているかなんてわたくしが知りたいぐらいです!
「そのまんまの意味だっての!つーかこんな所で大声出すな!恥ずかしいっつーの!」
摩央のその言葉で周りを見てみると、見事に多くの生徒たちの視線がわたくしたちに注がれていました。
・・・ふざけるのもいい加減にしてください。
周りの生徒に物凄いきびすを返して、わたくしはその場を去りました。
その直後、後ろで、
「失せろ」
という摩央の低い声が聞こえました。
おもむろに生徒たちが走り去っていくのが視界に入ってきます。
・・・摩央、たまにはいいことするじゃないですか。
お見事ですわ。
それで良いのです。