アイツとコイツは許嫁。
外に出ても、まだ少し注目を浴びているようで。
「・・・もう気にしないのが1番ですわよね?」
隣にいる摩央に力なく聞きました。
「あー、そうなんじゃん?」
・・・適当ですわね。
でもまあ、その位能天気な方がいいのかもしれませんわね。
空はまだほんのり茜色で。
摩央の髪が夕日の光できらきら光っていてとてもきれいに見えました。
あの時のように金髪だともっと光るのかもしれません。
そんな阿呆なことを考えるわたくしも、まあいいのかもしれません。
「空がきれいですわね・・・」
「ああ、だな・・・」
不意に摩央の声が聞こえました。
・・・ひとり言のように呟いたわたくしの言葉に反応してくれて、少し嬉しかったのは認めざるを得ませんわ。