アイツとコイツは許嫁。
1章
前日
【琥珀SIDE】
高校3年生のわたくしの家には明日、許婚の方が来るそうです。
ついに明日に迫っている許婚の方との出会いを前に、わたくしが今何をしているかというと・・・・。
「では、こちらでいいのですね?」
「はい、ありがとうございます。」
・・・・許婚の方の山のような荷物が運ばれてくるのを、ただ突っ立って見ています。
何もこんなに荷物を持ってくることはないでしょうに。
ましてや男の方なのにも関わらず。
ああ、それほど滞在期間が長いということなのでしょうか。
そういうことなんですの?
「・・・お母様」
「なあに?」
「あちらの方はいつまでここに滞在する予定なんですの?」
・・・できるだけ短いことを祈るほかありませんわ。
「高校を卒業して結婚するまでに決まっているでしょう」
・・・今は高校3年の夏ですから半年くらいかしら?
・・・って、そうじゃないですわ!!!