アイツとコイツは許嫁。


「何?俊哉、何て言ってんの?」


心配の欠片もなしに言った。


「摩央・・・。心配とかしてくんねえの・・・?」


少し落ち着いたのか、そう言いながらゆっくりと立った。


心配って・・・。


「何でお前はそんなに疲れてんだよ?」


あ、リレーの練習か何かか?


「ひでぇ・・・。摩央を探して3千里・・・。校内駆け回ってたのに・・・。」


3千里って何だよ。


『母を訪ねて3千里』の受け売り?


「つうか、何で俺を探してたんだよ」


自分で言った後に、思い出した。


さっきの事が頭をよぎり、一瞬自分の顔が歪んだ気がした。


そんな俺を知ってか、知らないでか、俊哉は普通にしゃべり続けた。


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