アイツとコイツは許嫁。
学校は楽しいけど、家に帰ると『琥珀との関係』という壁に毎日ぶちあたる。
その現実はなるべく見ないようにしていた。
本当はこんな問題とっとと解決させたかった。
でも、到底俺から謝るなんて出来ない。
それじゃ、琥珀に負けた気がするから。
そんな変なプライドが、俺の素直な気持ちの邪魔をする。
ぐるぐると考えを巡らせていると、もう体育祭は明日に迫っていた。
そういえば今日は前日って事もあって、結構盛り上がってたな。
体育祭が楽しみな気持ちと、琥珀との事で悩んでいる気持ち。
何で俺がこんなに、あんな奴の事気にしてんの?
今までみたいに適当に考えてれば楽なのに。
何で深く考えちまうんだ?
許婚だから?
親が絡んでるから?
分かんねえ・・・。
体育祭の前日、いろいろな気持ちが混ざり合っていた。