アイツとコイツは許嫁。
体育祭準備・2
【琥珀SIDE】
「・・・・・・」
カチャカチャと茶碗をつつく音だけが聞こえる、わたくしの家のダイニング。
元々、そんなに話をしながら食べているわけではなかったのですが。
わたくしの隣に座っている畜生男、摩央の事を考えるとはらわたが煮えくり返りますわ。
あの時、なぜ水樹さんに喧嘩を売るようなことを言ったのでしょう。
確かに水樹さんも素っ気無かったかもしれませんが。
水樹さんにも非はありましたけど、それくらいでぶっちぎれるなんて摩央も器が小さすぎるのです。
水樹さんには日々お世話になっているので、不快な思いをして欲しくないのでわたくしが仲裁に入りましたのに、この男は・・・。
何できれる必要があるのでしょう!?
ありえません!
しかもその後、わたくしにはたくさんの視線が集まってましたわ!
耐え切れなって家に帰った後だって、摩央のことで頭がいっぱいでしたのに。
この男は何もなかったかのようにずかずかと家に入ってきますし。
謝る事とか考えてなかったんですの?
という訳で、わたくしは徹底的に摩央を無視してやる事にしました。