アイツとコイツは許嫁。
体育祭の準備は急ピッチで進められました。
ダンスの練習や旗作り、わたくしには直接関係ありませんが応援歌の作成など。
ダンスの練習をする度に、摩央の上手さを感じますわ。
摩央はリレーの練習もやっています。
意外に早いらしいです。
団体競技のムカデリレーや騎馬戦の練習もだんだん取り入れられていきました。
わたくしは『声を出せ』、とかよく言われますが。
出したところで何なんですか。
運動は好きではないですし。
しばらくすると、旗作りはペンキ塗りに入りました。
摩央たちはお互いの顔などに落書きをしまくっていましたけれど。
何だかんだ言って摩央はクラスに溶け込めている気がします。
ちょっと羨ましかったりしますが。
わたくしと摩央は相変わらず口も利かず、目も合わせず、な微妙な関係でした。
大して面白い事もないまま、体育祭は明日に迫っていました。
―――だから嫌なのです、体育祭なんか。
みんな勝手に一致団結でも何でもしていればよいのです。
わたくしにとっては面白い事なんて全くありませんわ。
ええ、全く。
誰か楽しみ方を知っている人がいるならば、教えて欲しいくらいです。
体育祭の前日、若干ヘビーになりながら眠りにつきました。