アイツとコイツは許嫁。
体育祭本番・1
【摩央SIDE】
「おーい!俊哉ー!!」
廊下や教室では体育着の生徒たちがざわざわしている。
廊下で、那岐や他のクラスの奴らと話していた俊哉を呼んだ。
「あ、待ってー!!」
そう言いながら教室に入ってくる俊哉。
俊哉は一見細く見えるけど、体育着を着て足とかを出しているのを見ると、程よく筋肉がついているのが分かる。
それが意外で、初めての体育の授業の日にかなりびっくりしたのが記憶に新しい。
「よーし、じゃあいくぞ!」
クラスのリーダー的存在の純輝が言ったのを合図に、クラスのメンバーが男女問わず1つの円陣組んだ。
・・・多分、琥珀も。
「優勝目指して頑張るぞおおぉおぉぉ!!」
純輝がそう叫んで、
「「「おおおおぉおぉおおぉぉぉ!!!!」」」
俺やクラスの全員が、純輝に負けず思いっきり叫んだ。
その後、円陣は崩れ、
「よっしゃ、いくぞー!」
「頑張ろうねっ!」
みんな思い思いの言葉を口にしながら、教室を出て校庭に向かった。