微温湯〜ぬるまゆ〜
十分に実のある高校生活だった。
藤井君は一つ先輩だったから、毎日のように顔を合わせたのはたったの2年間。
憧れていた人が別にいても、この人は特別なのだと、あの頃から決めていた気がする。
彼が卒業して、地元を離れてしまってから、私は特に後を追うことをしていない。
どんなに離れていても、彼の記憶から自分のことが消えるはずが無いと思っていたし、どんなに会わない時間が長くなっても、次に会う時に変わらない気持ちで会えるって信じられたから。
1年後に私も進学して家を出たけど、好きなことをするために選んだ土地に彼はいなかったし、私は彼を求めていなかった。
年に一度くらいは会う機会があった。
会えない年でも、例えば大晦日には電話かメールの行き来があったから、何かの岐路に立たされたときには必ずといっていいほど、藤井君に頼った。
藤井君は一つ先輩だったから、毎日のように顔を合わせたのはたったの2年間。
憧れていた人が別にいても、この人は特別なのだと、あの頃から決めていた気がする。
彼が卒業して、地元を離れてしまってから、私は特に後を追うことをしていない。
どんなに離れていても、彼の記憶から自分のことが消えるはずが無いと思っていたし、どんなに会わない時間が長くなっても、次に会う時に変わらない気持ちで会えるって信じられたから。
1年後に私も進学して家を出たけど、好きなことをするために選んだ土地に彼はいなかったし、私は彼を求めていなかった。
年に一度くらいは会う機会があった。
会えない年でも、例えば大晦日には電話かメールの行き来があったから、何かの岐路に立たされたときには必ずといっていいほど、藤井君に頼った。