オマジナイ
小さい頃から消極的で、中々友達が作れず、悩んでいたこと。

一つ年上の3年の先輩に、密かに憧れていることを。

けれど先輩はいつも一緒にいる女の子から、ほとんど離れることはなく、楽しそうにいることを。

「そうだったの…。ねぇ、もしよかったら、良いこと教えてあげましょうか?」

リリスの地元は、オマジナイが流行っていたらしい。

少女は教えられるままに、オマジナイを行った。

その効果は次の日、すぐに起こった。

廊下で先輩とすれ違った時、ぶつかり、荷物を落としてしまった。

先輩は申し訳なさそうな顔をしながら、荷物を拾うのを手伝ってくれた。

そして謝ってくれた。

わずかながらも、一緒にいれた。

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