恋するキモチ
苦しいお腹をさすりながら1課に戻ると、おびただしい量の段ボール箱が、そこかしこに置かれていた。

中には書類が入ったものや、凶器とおぼしき血のついたナイフなど、いろんなものが詰まっていた。

「お!ちょうど良いところに!」

少しばかり年配の男性が、額に浮かんだ汗を拭きながら手招きしてきた。
山下と京子は顔を見合わせながら、側へと近づいた。

「まだ、この庁舎内のことはよくしらねーだろ?」

聞かれて京子は、はい、と頷いた。

「よし!山下、案内してやれ」

「え?いいんすか?」

手伝わされると思いきや、まさかの提案で、少し驚いたように山下が言うと、男性はうんうん、と頷いた。

「で、そのついでにこいつも持ってってくれ」

「げっ」

うまい話には裏がある。
って訳じゃないけれど。

午後は大量の段ボール箱を、えっちらおっちらといろんな場所に運んでいくことになった。
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