恋するキモチ
学生時代には家電量販店でアルバイトをしていた。そのお陰で、重たいものを運んだり、効率よく大量の段ボールを運んだりするのは得意だった。

そして、運ぶための必需品が台車だった。


鬼に金棒ね。


驚異的なスピードで、次々と段ボールを片付けていく京子。

予定していたよりもかなり早く、段ボールを片付けることができた。

「お疲れさま」

笑顔で山下がコーヒーの入ったコップを渡してきた。

「あ、ありがとうございます」

湯気の出ているコーヒーを一口ふくむ。

「…美味しいです」

ミルクと砂糖がたっぷり入っているようで、コーヒーなのに甘く、それが疲れた体に染み渡っていくのがわかった。

「食後のいい運動になったんじゃない?」

言われて、確かに!と京子は笑った。

「初日なのに、だいぶ庁内の位置関係とかも覚えましたし、あの仕事貰えてよかったです」

笑顔の京子に、山下もつられて笑った。

「さて、飲み終わったら残ってる書類関係を片付けようか。そしたら今日は終わりだから」

「はい!」

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