恋するキモチ
…なんか、私めちゃめちゃ嫌な子じゃない?


月島へ向かう電車の中で、ひとり、暗い雰囲気を醸し出していた。


要するに、自分の身勝手で付き合って別れてってしようとしてるってことでしょ?

…だめだ、はっきり言って、本当にいやなやつだ。


深いため息が出た。
あれだけ別れたいと言っている人間に対して、別れる気はない、とまでいってのけた洋司。


…正直、愛されてるんだろうな、とは思うけど。
一歩間違えたら、めちゃめちゃうざいよ。

でもこれが、成田に言われたんだとしたら。



だめ、死んでもいいかも。


思わず顔がにやけてしまう。
周囲に悟られないよう、顔を俯けた。


しっかしまぁ…私ってホントに嫌なやつだわ。


結局、何度いろいろと考えてみても、自分がとっても嫌なやつだというところで話が落ちついてしまう。

また、深いため息をつきながら、月島の駅を降りた。

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