恋するキモチ
「ここが現場だ」

月島の駅から歩いて5分程の場所。ブルーシートの前で立つ警察官に、手帳を見せて中に入る。

ブルーシートの中に入った瞬間、生臭い鉄の臭いが鼻をついた。


…刺殺かなんかかなぁ…


「…どうかしました?」

ふと、山下の視線に気付く。山下は、いや、と首を横にふった。

「先輩、京子ちゃん連れてきました」

山下の言葉に、周囲の人間の視線が一気に集中する。

「え?え??お…遅くなりまし…た???」


なんでみんなこっちみるの?来るの遅かったから?でも連絡もらって、そんな経ってないよ?


注がれる視線の意味がわからず戸惑っていると、成田が手招きをしてきた。

「こっちに被害者がいる。まずは見て気づいたことを言ってみろ」

促されるままに、京子は成田の側に行き、被害者を見た。



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