恋するキモチ
今日はこのまま歓迎会ということで、近くの居酒屋へと一課メンバーで向かった。
が、仕事の関係で、今回の飲み会は俺と山下、三井と杉本の４人という、小規模なものになった。

「それでは、杉本さんの初出勤を祝して！乾杯！」

山下の音頭で、４人はビールジョッキをカチンと合わせた。


「杉本さんって、彼氏いるの？」

山下がぐいっと身を乗り出して聞く。杉本さんは少し苦笑いを浮かべながら首を横に振った。

「それが…いないんですよー」

あはは、と笑う彼女がとてもかわいく見えた。

「またまたぁ、ほんとにいないの？」

山下に言われていかにも残念ですと言った表情を浮かべて、杉本は頷いた。

「私、どういうわけか友達は多いんですけど、彼氏とか、そういう関係までいく人がいないんですよ」

頬を少しだけ赤くしながら杉本が言った。

「えー？？」

山下がそういうと、杉本が少し肩をすくめて言う。

「よく言われるんですよ。お前は男みたいだーって。正直、私もあんまり男だとか女だとかって意識しない方なんで、それはあるかもーなんて思ったりするんですけどね」

そう言って、杉本はポリポリと頭をかいた。

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