恋するキモチ
暫く遺体を確認しながら、時々杉本の方を見る。


…一体、何を話してるってんだ?


はたから見た感じでは、仲よさそうに会話を楽しんでいるようにしか見えなかった。

「先輩、ほんとに大丈夫なんですか?京子ちゃん」

ぼそっと山下が言ってくる。

「本人があそこまで言ってるんだ。初めての現場だ。思うようにやらせてやってもいいんじゃねーか」

そういって、ふいっと遺体に視線を戻した。

「青春ですなぁ」

「うぉ!」

隣に(いつの間にか)座っていた松坂に声をかけられ、思わず小さく叫んでしまったことに、顔が赤くなる。

「な…なんだ!急に…脅かすなってんだ」

成田がふん、と鼻を鳴らしながら言うが、松坂は気にした様子もなく、指紋や、衣服についているあらゆる証拠となりそうなものを袋に入れていく。

「ほんとに、俺と京子ちゃんじゃ、ぜんぜん扱い方も接し方も違うんだから…ま、京子ちゃん、可愛いから仕方ないけですけど…」

山下がそういって茶化してきたそのときだった。

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