恋するキモチ
「そうなの、杉本さんは最近配属されたばかりなのね」

「そなんです。念願の警察官になれて、しかも配属先が捜査一課で!もう、今すっごく毎日が楽しいんです」

「いいわね。本当に楽しそうで羨ましいわ」

嬉しそうに話す杉本の横顔を、俺はじっと見つめていた。
屈託なく笑うその表情に、少し、鼓動が早くなるのを感じた。

「そういえば、お料理なんにするか。まだ聞いてなかったわ」

ごめんなさい、と女将がお品書きを杉本に渡す。

「俺はいつものでいい」

「わかってます」

ふと隣を見ると、杉本がじっとこっちを見つめていた。

「どうした?料理、決まったのか?」

「え?あ…いえ、まだ…」

少しだけ眉が下がったその表情はまるで捨てられた子犬みたいに見えた。


…なんでそんな顔をしてるんだ?


首を傾げながら、いくつかお勧めのメニューを教えてやった。
杉本はそれを聞くと、それじゃ、とお勧めメニューの数品を頼んだ。

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