恋するキモチ
…良かったって、どういう意味だ!?


杉本の言葉に、思わず顔が熱くなる。


い、いかん。
杉本はそういう意味で言ったわけじゃない。


早とちりしそうになる自分の脳みそを必死で落ち着かせていると、杉本がまだジャケットを着たままなことに気づいた。

「あ、悪い。上着かけるか?」

クローゼットからハンガーを取り出して渡す。

「あ、ありがとうございます」

杉本がハンガーにジャケットをかけると、それを受け取って、壁際にかけておいた。

「…スーツのままじゃしんどいだろ。いつも山下が使ってるジャージでよかったらあるが、どうする?」

聞くと、杉本は少し悩んでから、貸してもらってもいいかと聞いてきたので、俺は衣装ケースから取り出して、杉本に渡した。

「俺もあっちの部屋でちょっと着替えてくるから。お前はそこで着替えたらいい」

「ありがとうございます」

そういって、俺は寝室へと入った。

< 45 / 97 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop