恋するキモチ
寝室に入って、着替えを終えた時、俺はあることに気づいた。


そう、布団が1組しかないということに。


ちょうど山下が布団にビールをぶち撒いたこともあり、掃除をしたときにクリーニングに出して、そこからとりに行っていなかったのだ。


まずい…すっかり忘れてた!
俺も杉本も明日は出勤だ。寝ずに行くか?
いや、俺はいいとしても、あいつにそんなことをさせるわけにはいかないだろう。


そして、大きくため息をひとつつくと、布団に軽くコロコロをかけてリビングへと戻った。


『…………』


目の前には白くて綺麗な長い足があった。程よく引き締まったふくらはぎに、細くきゅっと締まった足首。ふと顔を上げると、顔を真っ赤にした杉本と目が合った。

「わ、悪い!」

慌てて背を向ける。


しまった、布団に気をとられすぎて、あいつが着替えてること忘れてた。


穴があったら入りたい。
というよりも、俺、さっきっから何やってんだか。


ごちっと軽く自分で自分の頭を小突いた。
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