恋するキモチ
いくつか料理を頼み、成田と話をする。
いろんな話をしながらも、出来るだけ、成田にはあることに気づかれないようにと、必死で話を続けた。

「あ、すいません。ちょっとお手洗いいってきます」

そう言って席を立ち、お手洗いへと入った。
入ってすぐに、腕時計で時間を確認する。時刻は23時を回ったところ。


終電まではあと30分。もう後15分も粘れば、終電なくなる!


成田と一緒に少しでも長く居たい。そのために一番手っ取り早いのは終電をなくしてしまうこと。成田も自分も終電がなくなれば、カラオケなり何なりと、どうにか始発まで一緒に、という話の流れになれるはずだと、そう、考えていたのだ。

あと少し、と気合を入れなおして、トイレから出る。

と、そこには楽しそうに話をしている2人の姿が見えた。


成田さんと都さん、仲いいな…


そんなことを思いながら、席に戻った。

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