恋するキモチ
どれくらい時間が経っただろうか。
成田におやすみの挨拶をした後、布団で横になっていたものの、どうしても寝付くことが出来なかった。


…やっぱり無理!


がばっと起き上がると、そっと部屋のドアを開けてみる。
そっとリビングの方をのぞいてみると、そこには横になっている成田の姿があった。

「成田さん…」

成田のその姿をみて、申し訳ない気持ちでいっぱいになった。
と、成田がぶるっと体を震わせた。春先とはいえ、まだ夜は少し肌寒い。

京子は毛布と掛け布団を持って、そっと、成田の側に近づいた。

「本当にごめんなさい。私がちゃんと、電車で返らなかったから」

小さくそう呟くと、毛布を成田の体にかけた。
すやすやと気持ちよさそうに眠る成田の顔に、思わず微笑んでしまう。

「ずっと、成田さんのこと。好きだったんだから」

そっと成田の髪をかきあげ、成田の寝顔を暫く見つめた。


明日も仕事だし。ちゃんと起きなきゃだしね。


そう思うと、小さく深呼吸をした。

「…おやすみなさい、成田さん」

そう言って、成田の頬に軽くキスをする。


…いつか、成田さんの彼女になるんだ。


京子はソファにもたれかかると、掛け布団をかぶってそのまま眠りについた。

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