恋するキモチ
希美はコップを持って、一席隣に移った。優がそっと、おつまみの入ったチャームを、希美の席にも持って来る。

「お、気がきくじゃん?」

希美がにっこりと笑って言うと、優はいえいえ、と笑った。

「お前、あれ何なんだよ。付き合ってる男がいるのに、別の奴の家に行くとか、ありえなくないか?しかもお前、泊っただろ?」

修羅場が始まります、と言わんばかりに、洋司が京子をまくしたてる。

「なんとか言えよ。その後、お前から連絡は全然来ないし、でも、希美とはほぼ毎日のように会ってるし」


面倒くさいことになった。


ぎゃあぎゃあと責め立ててくる洋司を見ながら、京子は心底そう思った。

「あれがお前が別れたいって言った原因なのか?」

洋司のその一言に、京子は意を決して答えた。
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