恋するキモチ
ピロピロピロピロ…
ピロピロピロピロ…
ピロピロピロピロ…


「うっさい」

バシッと側に置いてあった携帯を叩く。

『おすぎ?おすぎぃ?』


…?声がした、か?


うぅーっと眠たい目を擦りながら、携帯を側に引き寄せ確認する。

「…もしもし?」

通話中の画面になっている携帯をみて、耳にあてる。

『…おすぎ、今起きたの?』

呆れたような口調で、電話の主が言った。

「…希美?何よ、こんな朝っぱらから」

はぁ、とため息をつく京子に、それよりさらに大きなため息をついてポツリと希美が呟いた。

『おすぎ、時間』

「え?」

意味がよくわからず、ちらりと目覚ましを見てみる。

「…7時半!?」

一気に目が覚め、ベッドから飛び起きた。

『案の定だわ…遅刻しないようにねぇ』

そう言ってブツンと通話が切れた。

「やっばぁ…」

自宅から警視庁までは少なくても1時間はかかる。


気合い入れていこうと思ってたのに…むしろ遅刻しそう!?


慌てて顔を洗い、スーツに着替える。朝ごはんも食べずにそのまま駆け足で家を出た。
必死で髪を撫でつけながら、駅に向かう。

「もぉ…最悪!」

泣きそうな顔になりながら、必死で走って行った。

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