恋するキモチ
「私になんの関係があるの?それ」

ピシャリと言い放つと、彼女は驚いた様な顔をする。

「洋司の様子がおかしいか知らないけど、それを見てるのが辛いのは洋司でも私でもないでしょ。その子がそう勝手に感じてるだけで、なんで私にそんなことをお願いしてくるかな 」

私の言葉にカチンときたのか、眉をひそめて言い返してくる。

「そんな言い方、ないんじゃないですか?第一、田中先輩、仕事も手に付かないみたいで、ほんとに辛そうなんですよ?見ているこっちが辛くなるくらい」

「だからそれがなに?それも私に関係ないよね?」

残っていたアイスコーヒーを一気に飲み干す。

「仕事しないなら、しろって本人に言えばいいことでしょ。そんなこと、私の仕事でも、まして貴女の仕事でもないし、部下のことならそっちの上司の仕事でしょ」

机に置かれた伝票を手に取り、更に続ける。

「洋司が辛そうってのに至っては、それは貴女達の主観であって、洋司が言ったわけじゃないんでしょ?なら」

「田中先輩、辛いってこぼしてました!」

バン、とテーブルを叩いて、彼女は叫んだ。

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