恋するキモチ
さすがに一週間もの間、出張に出ていたので、書類仕事がたんまりと積み上がっていた。
三井と一緒に、げんなりとした表情を浮かべながらも、書類にとりかかった。


明日には本部を設置して、調査を本格的に再開すると言っていたしな。


書類仕事を残すわけにはいかない、と、大残業を覚悟しながら、必死に書類を片付けていく。

「はい、お茶です。どうぞ」

「あぁ、悪い」

ふと顔をあげると、にっこりと微笑む杉本の姿があった。


そういえば、こいつと会うのも久しぶりだな。


出張中は、正直事件以外に気を回している余裕がなかった。それに、一同僚に、特に用もないのに連絡をするというのは些か成田にはハードルが高すぎた。

「特に変わったことはなかったか？」

聞かれて杉本は頷いた。

「はい。大きな事件は何もなかったですし。あ、色々、新しい仕事も教えてもらいました」

「そうか。その調子で頑張れよ」

「はい！」

杉本は頷いて、嬉しそうにその場を去っていった。

入れてくれたお茶がうまい。

「さて、仕事仕事」

大きく伸びをして、また、仕事にとりかかった。
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