【短編】†hospital love†
窓の外を見る。
これが私の日課のひとつである。
ここから病院の横にある公園が見える。
桜が満開に咲き誇り、花々が美しく咲いている。
そういえば春だった。
新しいことが始まる季節に誰もが心を弾ませる。
公園内を走り回る子供たちが見える。
それが
小さいころは羨ましくてしょうがなかった。
一度母に聞いたこともある。
「どうしてここにずっといなくちゃいけないの?」
母は戸惑った顔でこう答えた。
「それはね。
蒼の体が丈夫じゃないからなの。
元気に産んであげられなくてゴメンね…」
今にも泣きそうな母の顔を今でも覚えている。
謝るくらいならいっそ殺してくれたらよかったのに。
その後、私の家族は私を捨てて遠くの街に引っ越ししたらしい。