ぬくもりに触れたくて。
こんな悲しみを望んだ訳じゃない。
甘え過ぎて、言い過ぎたのは私で…。
彼を怒らせたのも私。
「陸登…。」
あんな怖い顔は初めて見た。
"頭冷やせ"
言われて私は外に行く。
何も考えないでただ歩く。
きっと素直に謝れば全て元に戻るのに。
それが出来ない。
「苦しいよ。」
謝ったら陸登はまた頭を撫でてくれる?
抱き締めてくれる?
そんなことを考えながら、家の周りを一周して部屋に帰った。
彼は私が帰っても、ソファーに座って見向きもしない。
ごめんなさい
なんて言える雰囲気じゃなかった。
ただ無言のまま
私は部屋に行く。
静かに鍵を掛けて
1人で後悔して泣いた。
傷付けたの。
彼の心を踏みにじって。
「ごめんなさい…っ」
つぶやいても
彼には届かない。
出て行くのが怖い。
顔を見るのが怖い。
_コンコン。
「…………っ。」
「まろん、出てきなよ。」
無理だよ。
あなたは絶対怒ってるもの。
「怒ってないから。
俺も…言い過ぎた。ごめん。」
静かにドアを開ける。
そこには_。