ぬくもりに触れたくて。

お昼休み。

陸登からのメールに顔が緩む。

天気が良いから今日は外でランチ。

ウィンドウには急ぎ足で横切る人々。

「え…あれ…」

私が見間違える筈がない

見慣れた彼の姿があった。

隣にいるのは知らない女性。

見たことない笑顔。

私の知らない"姿"がそこにあった。

「お会計お願いします。」

真っ白になった頭で仕事に戻る。

「陸登…嘘付き…。」

仕事が手に付かない。

涙が止まらない。

唇を噛み締めても
これは現実の出来事。

夢なんかじゃない。

帰宅しても何をして良いか分からない。

真っ暗な部屋の中

ただ何も考えられないまま

陸登の帰りを待つ


「ただいま、まろん」

帰って来た。

「まろん?部屋の電気も付けないで…」

明るくなる部屋

見慣れたあなたの顔。

「陸登…。」

「どうした?」

話を…しないと。

真実が知りたいよ…。
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