ぬくもりに触れたくて。

「陸登…ごめんなさい。
昨日、勝手に携帯見ちゃった。…それでもしかしたらって思って今日たまたま陸登を見かけたの…女の子と歩いてたよね?」

「……あぁ。歩いてた。」

ゆっくり私の前に座る。

「浮気…してたの?」

「うん…職場の子で、最初は相談とかを聞いてて…それが告白されて…俺断りきれなくて…。」

「そっか…私、嘘つかれてたんだね。ずっと。」

悲しそうな顔で私を見る。

「ごめん…まろん本当にごめん…。」

「陸登、謝らないで。
もうしてしまったことは取り返し付かないよ。」

冷たくなる言い方

「…………。」

「りっくん、きっと私は甘いのかもしれない。
私は、別れることはしないよ。だって私にはあなたしかいないから。」

陸登が泣いてる。

「まろん…っ…」

私は陸登には甘い。

でも、その涙には

嘘偽りのないものだと思ったから

「ごめんね陸登…」

ぎゅっと抱き締める

彼の甘い香水に包まれた

キツくキツく抱き締められた。
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