ぬくもりに触れたくて。
私は走る。

素足で夢中になりながらウェディングドレスが私から逃げてしまうから。

待って!

何で着させてくれないの?

私と彼に永遠の愛を誓わせてくれないの!?

遠く遠く霞むドレス。

「まろん、俺達やっぱり無理だったみたいだ。」

_え?

「永遠の愛なんて存在しない。」

目の前に居るのは
愛する人。

その口からは紡ぎ出される言葉には冗談は無く

本当の気持ち。

「君を失うくらいなら
永遠を誓う意味なんてない。だから…終わりにしよう。」

何で…そんなこと言うの?

陸登_。


「………!…まろん!!」

ふと目が覚める。

陸登が私の体を軽く揺する。

「りっくん…?」

「大丈夫?凄くうなされてた…怖い夢見たの?」

心配そうに頬に触れる

「りっくん…私を愛してるよね?離れないよね!?」

力いっぱい抱き付いた。

「まろん?…当たり前だよ。何を根拠に俺がまろんから離れるんだ?」

抱き締めて、背中をゆっくりと叩いてくれる

「ずーっと一緒だよ。
永遠の愛を誓うんだから。」

「うん…うんっ。」

頬を伝う涙

貴方を失う悲しさに

止まらない。

夢で良かった…。

現実に起きちゃいけないから。

私には…貴方しか居ない。
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