ぬくもりに触れたくて。
次の日

いつものように朝食を作る。

「りっくん、ご飯だよ。」

起きて来ない。

「陸登…?」

寝室に行く。

起きているはずの彼。

「………っ…!!」

そこには、涙を流す陸登の姿があった。

「どうしたの…。
会社で何かあったの?
昨日から何も言ってくれないじゃん…。」

すぐに駆け寄り、背中をさする。

「まろん…まろん…っ」

何度も私の名前を呼ぶ。

「なぁに?
昨日からそればかりじゃない。」

きっと、私にも言えないくらいショックな事があったんだ。

「落ち着いたら、ご飯食べてね、私、バイトに行って来るから。」

そう行って家を出る。

「あれ?」

バイト先には長期休暇の張り紙。

「連絡無かったけどな…。」

店長には電話が繋がらない。

「なにか、あったのかな。」

仕方ないのでうちに帰る。

部屋には陸登が居た。

「朝ご飯食べなかったの?
も~…今日お仕事は休み?」

朝食に手を付けていない様子で

ただ窓の外をずっと見つめてた。

「話てくれるまで、私待ってるからね。」

そう言って、陸登の隣に座る。

腕を絡ませて、ぬくもりを確かめる。

あなたの甘い香りがする。

大好きだよ陸登。
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