ぬくもりに触れたくて。

あれから、私はあなたを守る為にずっと隣にいる。

片時も離れない。

あなたが壊れてしまいそうで

心配だけど

なんとか生きてる。

「まろん、今日は結婚記念日だよ。」

「そうだね、結婚してから初めての結婚記念日だね。」

「まろんが好きな忘れな草の花束と、イチゴのショートケーキ、買ってきたよ。」

毎日、陸登は花の水換えを欠かさない。

「この花を見てると、君がずっと傍に居てくれてるみたいに感じるんだ。」

ずっと…傍に居るよ?

あの日、私が死んでしまった日から

ずーっとあなたの傍に居るんだよ…陸登。

「神様は残酷だ。
俺だけ1人残して、まろんを連れていくんだから。」

また泣いてる。

「泣かないで陸登。
あなたには笑って欲しい…。」

届かない。

あなたの頬を伝う涙を拭っても
拭いきれない。

あなたに触れたい。

一度だけでいい。

あなにの温もりが欲しい。
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